八女茶のお話し
最高峰の日本茶として知られる八女茶の
過去、現在、そして未来についてご紹介します。
肥沃な筑紫平野が育む
最高峰の日本茶、
それが八女茶。
日本人の生活に欠かすことができない日本茶。その中でも最高級の品質を誇るブランドが福岡県で生産される八女茶(やめちゃ)です。福岡県南部に広がる九州最大の平野・筑紫平野の南部に位置する八女地方は、筑後川と矢部川によって運ばれた腐葉土などを湛えた肥沃な土地として知られています。
深蒸しのお茶を急須で淹れると豊かな緑色が現れ、口に含めば甘くてコクがあり、強い旨みが広がります。これこそが日本茶の最高峰、八女茶ならではの特徴です。
八女茶発祥から実に600年。
先人の遺徳をたたえ、
発展を祈念する。
日本でお茶の栽培や製茶、喫茶がいつから始まったのか。それについては諸説ありますが、平安時代末期(1191年)に栄西禅師がお茶の種子を中国(宋)から持ち帰り、現在の佐賀県と福岡県の境に位置する脊振山(せふりさん)に播いたのが始まりとされています。
八女茶の発祥は今から約600年前の室町時代中頃(1423年)。中国(明)で禅の修行を終えた栄林周瑞禅師が、筑後国鹿子尾村(現・八女市黒木町笠原)の庄屋である松尾太郎五郎久家に持ち帰った茶の種子を与え、製茶技法とともに一般に伝え広めたことが始まりとされ、2023年で実に600年の節目を迎えました。
「八女茶発祥の地」として伝わる霊巌寺は、松尾太郎五郎久家の援助を受けて建立されたもので、ここで毎年八十八夜(5月2日)、八女茶繁栄の基礎を築いた茶祖・栄林周瑞禅師の遺徳をたたえるとともに、新茶を奉納し、八女茶の発展を祈願する「献茶祭」が執り行われています。
海外へ、そして未来へ。
さらなる広がりを見せるYAMECHA。
日本国内で確固とした地位とブランドを築き上げた八女茶はいま、徐々に海外への進出を開始しています。香港、マカオ、台湾、ロシア、アメリカ、オーストラリア、カナダの7箇所で「YAMECHA」の商標を取得。福岡県や商社、マスコミ等を通じてご縁のあったシェフやソムリエ、アロマのスペシャリストなどの協力を仰いだ結果、欧米ではテーブルで八女茶とお料理のペアリングを行うレストランも徐々に増加中。その動きに合わせるように、高級ワインにも見劣りしない八女伝統本玉露のボトリングやスイーツを開発し販売するなど、これまでには見られなかった多彩な展開を見せています。
福岡県のみならず日本文化の代表として、八女茶はいま世界へ向けて羽ばたこうとしています。